YouTubeを筆頭に違法アップロードされている動画コンテンツは、視聴もいけない理由があります。
平成24年から本格的に映像や音楽のダウンロード規制が始まりましたが、いまだに違法サイトの勢いは止められていません。
違法アップロードサイトの映像や音楽コンテンツをダウンロード、アップロードすれば著作権の侵害になり刑事罰も適用されてしまいます。
今回は違法サイトを見てはいけない具体的な理由と、著作権侵害によりどのような刑事罰があるのか、など詳しく説明していこうと思います。
目次
違法アップロードサイト視聴は違法で見てはいけない理由は?
違法アップロードサイトを視聴する事は現在の法律では可能です。
しかし、結果的に見てはいけないとされる理由も以下のように存在します。
- 業界への損害が大きい
- 違法サイトが衰退しない
これについて、詳しく解説して行きますね。
視聴していけない理由は?
業界への損害が大きい
まずは重大なポイントです。
違法アップロードサイトで、好きなコンテンツを見れば見るほど、好きなコンテンツは無くなって行くというカラクリから説明します。
- ユーザーは無料で楽しみたい
- ▶違法コンテンツを見る人が存在
- ▶ニーズがあり違法サイト運営者に広告収益発生
- ▶違法サイト運営者が儲かる
- ▶違法アップロードを繰り返す
- ▶違法コンテンツが売れる
- ▶正規コンテンツが売れない
- ▶違法アップロードと削除のイタチごっこ
- ▶テレビ局や出版社、音楽レーベルなどが衰退
- ▶プロが制作する良質なコンテンツが作られなくなる
- ▶好きなコンテンツを違法サイトで見れば見るほど、好きなコンテンツは無くなっていく
2019年当時、巨大海賊版サイトであった「漫画村」の運営者が次々に逮捕された事件がありました。
漫画業界への損害は約3000億円にものぼると言われ、漫画村設立の2016年から3年の間、漫画業界を圧迫し続けていました。
現在でも漫画村のような海賊版サイトは多くあり、新たに作られ続けています。
動画サイトのYouTubeでも漫画を1ページごと何秒間隔で投稿し、違法に広告費を稼いでいるような輩も存在していますね。
YouTubeは違法の宝庫になっていて、テレビ局や出版社などがいくら違法を申告しても、次から次へと違う人が投稿するため、手が回らない状態になっています。
このような事が続けば、その業界に潤いが無くなり結果的に業界事態が衰退していく事になります。
つまり日本や世界に、面白いコンテンツがどんどん消えて行くことを示唆しています。
あくまで予想ですが大手出版社や音楽レーベルは倒産して行けば、今後は、ユーチューバーなどの素人が個人で発信しているコンテンツしか無い未来も想定できますね。
『好きなコンテンツを違法サイトで見れば見るほど、好きなコンテンツは無くなっていく』
これを理解できていない人は多いでしょう。
定収入や不景気風が続く中、無料で見たいと思うのは、自然な事です。
一方、製作者側の意見では、違法アップロードに反対する人と、そうでない人が存在します。
違法アップロードに反対しない理由としては
- 結果的に宣伝効果に繋がっているのではないか
- 自分の作品をより多くの人に見て欲しい
という気持ちがある為です。
”利益”と”見て欲しい”で葛藤する人も多くいる事は事実です。
ですが、やはり現状を見てみると損害の方が大きく、コンテンツは対価を払って得るべきだと感じます。
違法アップロードサイトが撲滅しない
先程と重複する説明もありますが、次は、違法サイトが撲滅しない問題についてです。
- 利用者は無料で見たい
- ▶違法サイト利用者が多くなる
- ▶「違法サイトは儲かる」という認識の蔓延
- ▶違法サイトを運営し広告が掲載される
- ▶違法サイト運営者に広告料が入る
- ▶広告会社も違法を黙認
- ▶視聴数に応じて違法サイト運営者と広告会社が儲かる
- ▶違法コンテンツが売れる
- ▶正規コンテンツが売れない
- ▶正規コンテンツ制作会社の衰退
- ▶正規コンテンツが作られなくなる
- ▶違法アップロードするコンテンツが無くなる
- ▶違法アップロードサイトも衰退
「違法サイトを運営すると儲かる」との認識が世の中に蔓延している事実も問題で、これは視聴する人が多い事によって引き起こされています。
違法サイトの閲覧者が多いとサイト内に貼られている広告によって、そのサイト運営者に利益が発生します。
一般のサイトならまだしも、違法サイトには違法の広告が貼られている事が多く、広告会社も違法と知りつつ黙認している状態です。
つまり、見る人が多ければ多いほど、違法運営者と広告会社が儲かるカラクリになっているため、いつまでも衰退しないのです。
上述したように、利益が発生しない出版社や制作会社は新しい作品を作れなくなって行くので、寄生している違法サイトもそれに合わせて衰退するでしょう。
またはサイバー系の法律がきちんと整備されれば、このような問題も少しずつ減っていくのではないかと思います。
しかし現段階で違法投稿の分野は難しい部分が多く、時間は掛かってしまうかもしれませんね。
なんにしても違法サイトを見る人が減ることによって問題は解決されますし、今まで通り面白い・素晴らしいコンテンツは消えることは無いのですが…
視聴する際の注意
一般的に違法アップロードサイトの視聴は可能ですが、注意すべきポイントもあります。
YouTubeやニコニコ動画の再生方式は、ダウンロードとストリーミングを合わせた、
「プログレッシブ・ダウンロード」
を採用していて、違法ダウンロードに当たる可能性もあります。
プログレッシブ・ダウンロードとは、
- 過去に見た動画を”履歴”のような形で保存
- 2回目に見る時は保存された場所から閲覧
この様な仕組みになっています。
文化庁では公式的に「プログレッシブ・ダウンロードは違法ではない」との見解を出されていますが、文化庁の見解が裁判で否定された事例もあります。
ですのでYouTubeやニコニコ動画は微妙なところですが、2つともメジャー過ぎるサイトですので、普通に使っていれば裁判になることは、まず無いと思っても良いでしょうね。
違法アップロードサイトの著作権や刑事罰
違法の投稿コンテンツの視聴やプログレッシブ・ダウンロードは可能とわかりましたが、どこからどこまでが違法となり、どのような刑事罰があるのでしょう?
また違法サイトへ誘導するリーチサイトについても詳しく解説していきます。
著作権と刑事罰
- 違法ダウンロード
- 違法アップロード
違法ダウンロード
平成24年10までは特にダウンロードに規制は厳しくなかったのですが、音楽や映像のダウンロードが増加したため禁止になりました。
ダウンロード禁止にした主な理由としては、
- 音楽レーベルや番組制作会社の損害を防ぐ為
- ダウンロードしたものをアップロード、または仲間に拡散する等の行為の防止
この2点が挙げられます。
ダウンロードが禁止されたのは音楽や動画で、なぜか漫画のダウンロードに関して規制はされませんでした。
ですので漫画の海賊版サイトからダウンロードしても現状では違法にならず、私的利用であれば複製も可能となっています。
YouTubeでも漫画の違法投稿は可能で、蔓延して来ているので、おそらく漫画のダウンロードも今後は禁止になっていくと推察できますね。
違法ダウンロードの刑事罰は、
2年以下の懲役または200万円以下の罰金
となってるので、注意して下さいね。
違法アップロード
著作権のあるコンテンツを違法でアップロードする行為は、著作権法119条1項により漫画を含めすべてNGとなっています。
ですのでYouTubeやニコニコ動画であがっている動画は、自作オリジナル動画以外は全て法律違反という事になりますね。
違法投稿の刑事罰は、
10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金(またはその両方)
となっています。
サイト内の違法アップロード者を全員逮捕したなら相当な数になると思いますが、グレーな部分でもあり、なかなか踏み込めないのも現状ですね。
リーチサイトも厳罰化
違法アップロードサイトだけでなく、そのサイトに誘導する”リーチサイト”も厳罰化することがわかっています。
大手リーチサイトと呼ばれた「はるか夢の址」の運営者3人は約1億6千万円の刑事罰が与えられ、リーチサイトでは国内で初めて賠償が認められました。
海賊版だけでなく、このような巧妙な手口で儲けている人に対しても刑事罰は重くなってきていますね。
何にしても違法だと思われるものには、関わらない事が一番良いのではないかと感じます。
違法アップロードサイトよりも正規サイトが◎
違法アップロードサイトを利用するのは、プロが制作する有料コンテンツの衰退を招き、今後の私達の為にならない事が良く分かりましたね。
不景気や定収入が続く中、好きな動画や漫画などを無料で見たいというのは人情でしょう。
最近では、ネットで良質なコンテンツを楽しむ事が出来るサイトがたくさん誕生してきました。
アマゾンプライムやNetflix、U-NEXTなどなど、CMも盛んなので聞き覚えがあると思います。
テレビ局など大手企業が、もちろん合法で運営しているので、
- 広告なし
- 妙な編集なし
- 高画質
- フル動画
こんな感じで楽しむ事ができます。
これらは俗にVOD(ビデオ・オンデマンド)と呼ばれ、日本国内でも利用者が急増中の人気サービスとなっています。
個人的なオススメサイトは以下の2つ
ドラマ好きならば、フジテレビの最新ドラマ~過去ドラマが豊富に揃っているFODがおすすめです。
一方、映画好きな方ならば、制作会社の枠を超えて最強ラインナップを誇るU-NEXTがおすすめとなります。
更に、約1ヶ月の無料トライアルや、ポイントサービスがあったりと、何かとお得です。
違法アップロードサイトは、淘汰されるべき存在である事は明白ですので、動画コンテンツを愛好する我々一人一人から、行動を起こすべきなのでしょうね。
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まとめ
違法で投稿されているサイトは消える気配は無いですが、出版社や制作会社側も無料で読めるサイトや、Tverなどの過去番組が視聴できるものを作ったりと知恵を出しています。
このようなサイトが完全に無くなるには厳罰をさらに厳しくするか、違法サイトを見なくても満足できる機会を設けることだと思います。
YouTubeやニコニコ動画でも今回のような問題がなくなり、より面白くなっていく事を願っています。
参考サイト:
文化庁
産経新聞